移住
来日
日本に移住して半年以上が経ちます。日本で初めてアパート探し、引越し、納税など、生活において必要不可欠な様々な経験を経て、やっと「日本の移住民」を名乗れるようになった気がしてきました。これまでどこかに存在するためのロジスティクスについて考えたことがなかった僕は、学ぶことが多かったです。
ビザ
国境内で生まれるだけで自分の存在を許してくれる国はほとんどだと思いますが、国境を超えて別の国に移住するとなると、移住先の国での滞在を理由づけてくれるビザが必要になってきます。日本は様々なビザがあり、そのビザの特徴によっては自分にとって都合に良いビザが違ってきます。エンジニアの僕の場合は、主に二つのビザに選択肢が絞られていて、「高度人材」ビザと「技術・人文知識・国際業務」ビザでした。
高度人材ビザの利点は有効期間が短くても5年です。となると、高度人材ビザを持っていれば将来確実に永住権の申請ができます。問題は、ビザの有効性が雇用主に結びついており、何かしらの理由で雇用関係が変わった場合、ビザを変更しないといけません。僕が結局高度人材ビザに決めたのは、永住権の可能性をできるかぎり選択肢としてキープしたかったのと、雇用が変わった場合のリスクを構わなかったのが理由でした。
「技術・人文知識・国際業務」ビザは最短3ヶ月で最長5年の有効期間を有しているので、万が一1年間以下のビザが降りた場合、永住権の申請ができないという弱点がある一方、仕事を失っても資格が有効だという利点を持っています。
引越し
区役所での住所登録、携帯の契約、国民保険の加入、銀行口座の開設などは、住所がなければできません。でも、住所を手にいれるためには、逆に銀行口座と電話番号をすでに持っていなければできません。この循環依存を脱出するには、携帯や銀行口座を必要としない、審査が優しい物件に引っ越し、携帯電話や口座を手にいれてから、もっと厳しい審査の物件に挑戦すれば良いです。
ビザと住所を確保したら、楽天がプランの支払いとして海外のクレジットカードを扱っているので、携帯の契約がすぐにできました。契約を完了させるには数時間がかかりました。
僕が調べたところ、唯一新しく日本に引っ越してきた外国人を扱っている銀行はゆうちょ銀行だけです。外国人になれているらしくて、最初の口座解説のアポがほんの1時間で終わりました。1、2週間後にキャッシュカードが届いて、クレジットカードの申し込みもできました。
引越しのコストは毎月の家賃では分からないものです。僕の場合、敷金(家賃1ヶ月分)、礼金(家賃1ヶ月分)、最初の2ヶ月の家賃の事前支払い、家賃保証(家賃0.5ヶ月分)、物件の案内料金(家賃1ヶ月分)があり、合わせて半年近くの家賃に相当する額を、事前に払わなくていけませんでした。次引っ越すとき、コストの最適化として礼金を払わなくても良い物件を探すと良いかもしれません。
税
自分の国で長くサラリーマンをやってきた僕は、あまり税のことを意識する必要はありませんでしたが、移住の時は話が別です。
日本と米国の間で結ばれている日米租税条約により、日本滞在が年に183日以上を超えない限り、物理的に日本にいながらアメリカの仕事で稼いだお金は日本の課税対象にはならないことです。うっかり超えた場合は、アメリカでの確定申告で外国税額控除を使えば二重課税を回避できます。外国税額控除を使うと、面白いことに、結果としてアメリカの政府から日本の政府へお金が移動することになりますが、一年の間日本にいる時間のほうが長かったと考えると、納得がいきます。
海外で所得として得たお金を日本の口座に送金すると、所得税が適用されます。海外のクレジットカードでの支払いもその税の対象になる可能性もあります。なので、日本のビザを取得したら、海外のクレジットカードの使用をやめろと良いでしょう。日本政府の狙いなのか、結果として、そういった税が新しく来日した移住民に日本の経済へ貢献する動機を与えます。
去年の移住でたくさんの税を納付するハメになりましたが、実際支払うのに苦労しました。ゆうちょ銀行が移住民に優しいというところは素晴らしいですが、そういった口座には厳しい縛りが課されています。最終的には、納付書を提出して、納税のための現金の引き下ろしを許してもらいました。
結論
ここまで読んで参考になったでしょうか。「移住」という経験を経て本当に日本に住んでいるという感覚が少しずつ湧いてきています。もう一つ言えるのは、変な日本語を喋る僕を助けてくれた多くのみなさんからは、リスペクトと優しさしか感じなかったことです。世の中的にはとても珍しいことだと思います。ありがとうございました。